1967年に初代が誕生してから50年以上にわたって愛され続けているトヨタ「ハイエース」。カスタム人気も高く、仕事はもちろん、遊びにも使えるオールマイティな一台として多方面から絶大な支持を集めるこのクルマを愛車とする大人のひとり、芸人・佐田正樹さんにそのこだわりを聞いた。
小石を投げつけたり、ハンマーでたたいたり
元総長のハイエースはエイジング加工がすごかった
POINT ガチな職人仕様
工務店の作業車なので、たくさんの資材や道具を積み込めるように考えてつくられている。佐田さんが持ち運んでいる2×4材は、約3mの長さがあるが、このようにちゃんと入る。
POINT 細部まで徹底
テールランプガードもきちんとエイジング加工している。細かいディテールにもこだわるのが佐田さん流。
POINT ヴィンテージ工具をディスプレイ
クォーターウインドウ部分にはラックをつくり、アメリカで100年以上の歴史をもつ電動工具のパイオニア「ブラック・アンド・デッカー」のヴィンテージ工具をディスプレイしている。
こだわったところは全部ですね。かなり細かくやったんで。例えば、ドアを閉めたら見えない部分とかは、どうせ見えないんだからやらないでいいやってなりがちですけど、僕らはそういう細かいところも手を抜かずにやりました。外側ほどは劣化しないにしても、手で触れる機会が多いからきっと汚れるはずだってところにはちゃんとエイジングを入れています」
それ以外にも、ボディをよく見ると、さまざまな箇所に鉄板のビス留めのようなリベットがついているのに気づく。これはなんとゴム製のフェイク。
「表面をわざと錆びたようにペイントして、鉄板をリベット打ちしたような感じに見せているんです。こういうところにもこだわりました」
さらに、こんなこともやっている。
「ボディに傷をつけるために、小石を投げつけたり、ハンマーでたたいたりしました。普通に考えたらおかしいですよね(笑)。でも、ガンガン使っていたらそういう傷もつくし、職人が使うクルマなんだからそれぐらいやったほうが味になるかなと思って」
内装のテーマは“工房”。アメリカ産の古材を使い、随所に鉄の什器を組み込んだ空間はまるで男の秘密基地といった雰囲気で、見ているだけでワクワクする。作業テーブルや工具を収納するラック、照明もあり、作業場としての機能も十分だ。
「大変でしたけど、われながらカッコいいのができました。汚れれば汚れるほどカッコよくなる。こんなハイエース、ほかにはないですよね(笑)」
POINT テーマは“工房”
内装は“工房”をテーマに制作。天井や床、壁に使われているのは、アメリカ産の古材。照明や収納ラックなど、鉄素材との組み合わせがいい。テーブルと椅子を設置して、この中で作業をすることも。
POINT リアルな錆び感
ボロボロに見せるため、エンブレムはあえて取っている。TOYOTAの文字の錆びついた感じなど、徹底してリアルを追求。1/1スケールのプラモデルを見ているかのよう。
POINT バックドアの内側も
外からは見えない部分だけど、バックドアの内側も抜かりなくエイジング加工を施している。「ここだったらボディと比べてこれぐらい劣化するかな、ということを考えてやっています」
佐田正樹さん/芸人
1978年福岡県生まれ。お笑いコンビ「バッドボーイズ」のツッコミ担当。公式YouTubeチャンネル「SATAbuilder’s」が絶賛配信中!
Composition&Text:Masayuki Sawada