2024.02.23
最終更新日:2024.03.08

【おしゃれな大人の試乗フェス!】テスラ、ヒョンデ、BYD… U-500万円で手に入る新鋭EVのベストチョイスは?

BEV(エンジンのない純粋な電気自動車)は単なるエンジン車の代替品ではなく、新しい楽しさを提供する乗り物だ。乗るならどのモデルか?補助金を含めれば500万円以下で手に入る最新モデルを比べてみた。

【おしゃれな大人の試乗フェス!】テスラ、の画像_1

ー 試乗したのは ー

村上雄一さん/ブルーボトルコーヒー ブランドキュレータープロフィール画像
村上雄一さん/ブルーボトルコーヒー ブランドキュレーター
もともとはドイツ車党で、BMWなどを愛用。だが2年前に試乗したテスラ モデル3に感動、即座に購入して現在に至る。
遠藤イヅルさん/イラストレーター・ライタープロフィール画像
遠藤イヅルさん/イラストレーター・ライター
主にクルマを描き、原稿も執筆。旧車愛好家として知られ、現在の愛車は1985年型日産 サニーカリフォルニアSGL(B11型)。
TESLA  Model3 BYD  DOLPHIN Hyundai  KONA

1TESLA

Model3

496万円

※補助金65万円を適用した場合

2BYD

DOLPHIN

363万円

3Hyundai

KONA

399万円


テスラ躍進の原動力中身も外見も進化を続ける

TESLA Model3

TESLA  Model3

2018年に発表されたコンパクトな4ドアモデルで、テスラの販売台数増加に貢献した。発表以来ソフトとハードのアップデートを行ってきたが、’23年に外観の変更を伴う大規模なマイナーチェンジを受けた。ロングレンジ仕様の航続距離は706㎞。561万3000円から。

Drive Feel

TESLA  Model3 2

村上 デザインは変わりましたが運転した印象は変わりません。静かで速い。八ヶ岳ぐらいなら無充電で往復できるし、自宅でも充電できるので不便はないです。

遠藤 タッチパネルでシフト操作をするあたり、いい意味でクルマを運転している感覚じゃないです。これが初めてのクルマなら、すごく便利に感じるでしょう。

Interior

TESLA Model3 3

村上 ハンドルの形が変わり、ウインカーのレバーがなくなるなどさらに未来的な雰囲気になっています。内装の素材は高級ではないけれど、見せ方がうまい。

遠藤 マイチェンで物理的なスイッチが減って、テスラらしさが増しました。「今までにない」ものを所有している感覚は、旧車好きの僕でもかなり惹かれます。

Exterior

TESLA Model3 4

村上 押し出しが強くない控えめな形が好きです。ヘッドランプとテールランプの形が少し変わりましたが、無駄な装飾がない点にテスラの考えが表れています。

遠藤 今まではクセが強すぎという印象でしたが、前後のランプがシャープで格好いい造形になって、より万人に受け入れられるデザインになったと思います。


中国の電気自動車は想像以上の完成度だった

BYD DOLPHIN

BYD DOLPHIN

BEV販売台数でテスラと世界一を競う中国のBYDは、2022年に日本市場への参入を発表。コンパクトSUVのATTO3に続き、VWゴルフと近いサイズのドルフィンを導入した。ロングレンジ仕様の航続距離は476㎞、パワーも204psと高スペック。363万円から。

Drive Feel

BYD DOLPHIN 2

村上 加速やブレーキなど、機能に不満はありません。ただし、ウインカーの音やハンドルの手触りなど、数値化できない部分が洗練されていない印象です。

遠藤 滑らかな加速感など、BEVの魅力はコンパクトカーでも味わえるんだと思いました。操作に特別なスキルが不要で、BEVのハードルを下げてくれそうです。

Interior

BYD DOLPHIN 3

村上 インテリアはよくまとまっていると思います。イルカのヒレをモチーフにしたドアハンドルなど、日本車ともドイツ車とも違うセンスが面白かったです。

遠藤 曲線的なデザインや色使いが、僕の知っている常識とは違っているので、最初はおや?と。でもミニマルなデザインが多い昨今、差別化を図れそうです。

Exterior

BYD DOLPHIN 4

村上 子どもが大きくなり夫婦二人で行動するようになったので、このサイズ感はいいですね。インテリアと同様、きちんとまとまっているので好印象でした。

遠藤 イルカのモチーフをちりばめるあたり、凝ってるなという印象です。ヘッドランプを含めたフロントのデザインが少しレトロな雰囲気で、かわいいです。


グローバル市場で高い評価の韓流コンパクトSUV

Hyundai KONA

Hyundai KONA

2017年にデビューした初代コナのエンジン仕様は欧州で高評価。それを受けた2代目は、日本にはBEVのみが導入される。サイズ的にはカローラ・クロスよりややコンパクトなSUV。航続距離625㎞、最高出力204psと、こちらのスペックも十分以上。399万3000円から。

Drive Feel

Hyundai KONA 2

村上 よくも悪くも既存のメーカーがつくったBEVという感じがします。インターフェイスなどエンジン車から乗り換えても違和感がない。走りは文句なしです。

遠藤 乗り心地が抜群にいいので感心しました。車線キープをアシストする機能などの作動が自然で、ストレスを感じません。初めてのBEVにいいと思いますね。

Interior

Hyundai KONA 3

村上 世界中の自動車メーカーをものすごく研究しているように感じました。ここがテスラっぽい、ここはビーエムっぽいとか。コスパはものすごく高いですね。

遠藤 ヒョンデのアイオニック5は削ぎ落としたデザインのインテリアでしたが、こちらはスイッチを残した。未来感には欠けますが、使いやすいのは確かです。

Exterior

Hyundai KONA 4

村上 パッと見た瞬間、個性的な顔やラインにハッとしますね。面白いとは思いますが、もう少し主張が控えめなほうが好みです。

遠藤 要素が多いのにきれいにまとまっていて秀逸だと思います。シームレスホライゾンランプと呼ばれるヘッドランプのデザインが近未来っぽいです。


総評

先代オーナーが見ても新型は期待を裏切らないプロフィール画像
先代オーナーが見ても新型は期待を裏切らない

今回新型に触れて、テスラなりの考え方で着実に進化を遂げていると感じました。ほかのEVに乗っても環境に配慮する気持ちは湧きますし、つくりもいいですが、個人的にはやはりイーロン・マスクの描く物語に共感します。

コナは扱いやすくて見た目もセンスよく斬新プロフィール画像
コナは扱いやすくて見た目もセンスよく斬新

従来のクルマに乗り慣れた人間からすると、コナの“半歩先”くらいの操作感は安心できます。デザインもうまく攻めていますし、韓国が好きな若者からSUVをおしゃれに乗りたい大人まで、ピッタリなBEVだと感じました。



Photos:Yuya Shimahara[UM]
Text:Takeshi Sato

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