細かい蘊蓄やスペックの話は置いといて、シンプルに見た目だけでファミリーカーを選んだらどうなるか。各界のクルマ好き6名が集まり、現行モデルから発売予定のニューモデルまで、グッドルッキングなモデルについてあれこれ語ってもらいました。
ー 参加者 ー
メルセデスとBMWになくて、ボルボとアウディにあるもの
遠藤 デザインを語るのであれば、やっぱりボルボは忘れてはいけないと思います。メルセデスベンツがちょっと変わって、だいぶ派手めになって、車内も電飾がすごいことになっているじゃないですか。
藤村 もうディスコ状態です(笑)。
遠藤 BMWもデザインが派手になっちゃって、それが気にいらないという人が、ボルボとあとはアウディに乗る。だから品があるというか、デザインはうまいですよ。ボルボから最近出たEX30なんかはサイズもデザインもコンパクトですっきりとしていて、すごくいいクルマだなと思います。
藤村 コンパクトでかわいらしいですよね。
遠藤 立体駐車場に入るサイズに抑えられていて、かなり使いやすいだろうから、日本でも売れるでしょうね。
今泉 勝手な印象ですけど、マツダの立ち位置ってボルボと似ているなと思うんですよ。
渡辺 意識していると思います。CX︲60の内装とか見ると、ボルボっぽいなって感じますから。
―マツダは「魂動デザイン」というフィロソフィを掲げて、日本のメーカーの中ではかなり早くデザインに振った戦略を打ち出してましたよね。
渡辺 デザインでブランディングできたという点では、日本のメーカーの中ではマツダがいちばんかなと思います。
Volvo EX30
―先ほどアウディの話が少し出ましたけど、アウディのQ4 e-tronはどうですか?
佐藤 僕、試乗しました。いかにもEV、みたいなデザインを盛り込みすぎてないところはよかったです。今までのグリルとかの考え方をあまり変えないでそのままにしているのはいいなって。アウディのキャラクターがちゃんと残っているし、すごくきれいな感じのデザインでいいクルマだと思う。ただ、じゃあ、めちゃくちゃ惹かれるかと言われたらそうでもなくて、“絶妙”なところだという印象です。
遠藤 そこがたぶんアウディの狙いどころなんだと思います。
佐藤 そんな感じですよね。僕は今、Q8 e︲tronに乗っているんですけど、それと比べると、Q4はすごく不思議なところを突いているような感じはしました。何て言うのかな、ターゲットはモデルYを買う層とかぶっていると思うのに、でもモデルYほど先進的デザインとか、先駆的アイデンティティみたいなところを押し出してなくてそこはとても共感できました。
遠藤 アウディって程よく先進的なんですね。ものすごく未来っぽくはないんだけれども、クールでちょっとだけ未来をいっている。そういうブランドイメージをずっと変わらず保ち続けていて、いいメーカーだと思います。
佐藤 新型が出ても以前のモデルと比べてそんなに語るところがないというか、劇的に変わるイメージがないです。
遠藤 だから、アウディってモデルチェンジしてもわからないんですよ(笑)。そこはいい意味で信頼できますね。
Audi Q4 e-tron
Interview&Text:Masayuki Sawada