UOMOカラーのマシンが参戦している2018全日本スーパーフォーミュラ選手権。そのシリーズ最終戦が10月27・28日に三重県の鈴鹿サーキットで行われました。 舞台となる鈴鹿サーキットはF1日本GPも開催されるなど世界的にも有名なコース。また今回の最終戦では世界選手権レースのひとつである「ワールドツーリングカーカップ(WTCR)」も併催され、いつもとは違う雰囲気のなかでの大会となりました。 今シーズンは開幕戦も鈴鹿で行われましたが、UOMO SUNOCO TEAM LEMANSにとっては、低迷する苦しいレースとなってしまいました。そこからレースを重ねるうちにパフォーマンスを上げてきており、今シーズンの最終戦ということもあり、ベストな結果を目指そうとチームも一致団結していました。 第2戦からチームに加わっているトム・ディルマン選手にとって鈴鹿サーキットは初体験のコース。難易度が高いコーナーが多く、「すごくチャレンジングで面白いコースだなと思ったけど、ぶっつけ本番だから勉強する時間がなくて大変」と初日の走行が終わった後にコメントしていました。 それでも、マシンの調子は良く予選Q1でも果敢にタイムアタックを行いましたが、Q2進出圏内の14番手にわずか0.013秒届かず、Q1敗退。予定よりも燃料が多く積まれていたとのことで、「Q2に行ければ得意なソフトタイヤでアタックできたから残念だ」と悔しい表情を見せていました。 一方、8号車をドライブする大嶋和也選手は順当にQ2へ進出し、12番グリッドを獲得。開幕戦では下位に沈んでいましたが、そこから着実に進歩した結果を出しました。 28日の決勝レース。この日はシリーズチャンピオンも決まる一戦ということで、2万3000人のファンが集まり、大盛況となりました。そんな中でUOMO SUNOCO TEAM LEMANSもポイント獲得を狙いにいきますが、スタートから誤算続きの展開となってしまいました。 大嶋選手はスタート時の発進がうまくいかず、一気に最後尾まで後退。いきなり苦しい展開を強いられてしまいます。一方のディルマン選手はスタートから1周目のバトルで一気に5つポジションを上げて10番手に浮上。そこからのペースもよくポイント圏内に近づきます。 ディルマン選手はライバルよりいち早く、6周目にピットイン。後半での逆転を狙いますが、作業エリアにマシンを止めようとした際に、停止位置がずれてしまいます。これでマシンを持ち上げるジャッキがうまく作動しないトラブルに見舞われ、大きなタイムロスを喫してしまいました。 このアクシデントが影響し、大嶋選手もピットインのタイミングが予定より1周ズレてしまいます。これで上位に進出するきっかけを失ってしまい、2台は我慢のレース展開を強いられてしまいました。 結局、大嶋選手が14位、ディルマン選手が15位でフィニッシュ。途中のペースがよかっただけに細かなミスが悔やまれる最終戦となりました。 また年間の総合ランキングでは大嶋選手が12位、ディルマン選手が14位。チームランキングでは全11チーム中、7位という結果になりました。 片岡龍也監督コメント 「まずは1年間、応援ありがとうございました。みなさんの応援に見合う結果が出せたかというと…そこは出しきれなかったのかなというシーズンでした。時々(上位入賞の)可能性を感じるレースはありましたが、全体の結果という意味では、今ひとつ出しきれなかったというのが本音です。ただ、シーズンを通して非常に良くなってきた部分も多くありました。これを来年につなげられるように、このオフで準備等をしていきたいなと思います。引き続き、応援をよろしくお願いします」 大嶋和也選手(左)コメント 「課題が山積みのシーズンになってしまいましたが、開幕戦の鈴鹿に比べれば最終戦ではかなり進歩はしていました。来年はマシンも変わりますし、ここまで築き上げてきたものもあるので、このままの体制でいければいいなと思います」 トム・ディルマン選手(右)コメント 「日本でレースをする機会を得られて、本当に良かった。周りのライバルたちは何年も日本のコースや、このマシンでレースを経験しているのに対し、僕にとっては全てが初めてだった。何もかもがぶっつけ本番で、すごく難しいシチュエーションだったけど、1年を通して随分と改善できたし、短時間でコースを学ぶにはどうすればいいかという勉強にもなった。シーズン後半になってクルマのパフォーマンスもすごく良くなって、自信がついたよ。このシリーズはすごく素晴らしいしやりがいがある。僕自身、来年はフォーミュラEという新しいチャレンジが始まるけど、機会があれば、またスーパーフォーミュラに参戦したいと心から思うよ」 1年間、UOMO SUNOCO TEAM LEMANSへのご声援、ありがとうございました! また来シーズンも応援よろしくお願いいたします。 全日本スーパーフォーミュラ選手権公式サイト Photos:Shigenobu Yoshida Text:Tomohiro Yoshita