2021年12月22日、新型フォルクスワーゲン ゴルフGTIがついに日本上陸を果たした。GTIといえばゴルフの「顔」。SUV慣れした文化系男子に、その走りはなかなか刺激的だった。
今回の「ゴルフGTI試乗ツアー」の目的地は群馬県。初日は品川のフォルクスワーゲン本社を出発して、前橋の新しい「アートデスティネーション」として話題の白井屋ホテルへ向かい、2日目は渋川市にある原美術館ARCなどを訪れて東京に戻るというスケジュールだ。 試乗車のボディカラーはピュアホワイト。もちろんフロントのラジエーターグリルには、アイコニックな赤のストリップ入り。小学生の頃、白いボディのゴルフⅡ GTIを見てカッコいいなと思ったのが原体験としてあるけど、ゴルフⅧに進化してもGTIには白がいちばん似合うと思う。
首都高、東京外環道を経て関越道に入ると、平日の昼ということもあって道はガラガラ。天気も最高だし、仕事も家族もすべて東京に置き去りにしてクルマを走らせるのは痛快極まりない。思わずアクセルを踏む足にも力が入るわけだけど、プライベートでは鈍重な箱型のビッグSUVに乗っている人間からすると、GTIのなんと軽くて速いことよ! レスポンス良くシャープに加速しつつも、エンジンの回転フィールはすごくなめらか。音もうるさすぎず、でも適度にドライバーを盛り上げてくれる大人な刺激。乗り心地はやや硬いものの、伝統のタータンチェック柄のファブリックに赤いステッチをあしらった、ヘッドレスト一体型のスポーツシートがすこぶる快適で、はっきり言って気にならないレベル。以前乗っていた90年代の某スポーツセダンに向かって「音がうるさい。乗り心地が最悪。クルマで出かけたくない」と散々ディスって買い替えさせた家族も、これなら文句は言わんだろう。
もちろんスポーティな高速ドライビングを楽しめる一方で、全車速追従機能付きのアダプティブクルーズコントロールやレーンキープアシストシステムなども標準装備されているので、少し疲れたなと思ったらそれらをフル稼働しつつ、メリハリの効いたドライビングを楽しむのが文化系男子っぽいスタイルなのかもしれない。
2日目は、原美術館ARCへ。2021年1月に惜しまれつつも閉館した東京・品川の原美術館と、その別館としてあったハラ ミュージアム アークの活動を統合して生まれ変わった美術館で、榛名山の麓にある緑豊かなロケーションが最高だ。白と赤のボディカラーがリンクしているというあまりにもシンプルな動機で、ジャン=ミシェル オトニエル「Kokoro」、アンディ ウォーホル「キャンベルズ トマト スープ」とともにGTIを撮影し、ゆっくり展示を楽しんだ。
最後は、山道でのドライビングを楽しむべく赤城神社へ。赤城山の山頂にあるカルデラ湖、大沼の湖畔に建つ美しい神社で、地方で神社を参拝するのが好きな自分にはうってつけの目的地だ。もちろんここでもGTIは、普段乗っているビッグSUVとは比べものにならない運動神経のよさと、抜群の素性の良さをアピール。ワインディングを軽快にクイクイ曲がっていきながらも、非常にマナーがいいというか、動きが上品というか。「どうだ! すげえだろ」的なドヤ感は一切なく、自分のような文化系の素人ドライバーにもすっと寄り添ってドライビングを楽しませてくれた。今の自分のクルマだと、ワインディングって苦行以外の何ものでもないからなあ……。
というわけでGTIの魅力を存分に堪能した1泊2日。ここ数年、すっかりSUVに乗るのが当たり前になっていたけれど、「コンパクトカー、しかもホットハッチってやっぱりいいな」と考え直すきっかけとなった。確かにSUVは視点が高く、開放的で運転しやすいし、人も荷物もたくさん載るし、ゆったりのんびり運転する分には楽しい。でもゴルフGTIだってパッケージングが秀逸だから後部座席もゆったりしているし、ラゲッジスペースだって十分な広さ。SUVと比べて開放感では劣るけれど、お気に入りのスニーカーを履いたときのような軽快感と遠くへ出かけたくなる気持ちは、GTIのほうが上だと思う。それと、一人で大型SUVを運転するのって結構寂しい(笑)。一人ドライブのときは、ゴルフGTIみたいな、ちょうどいい大きさで運動神経のいいクルマが合うんじゃないだろうか。例えばこのGTIにルーフキャリアを装着して、アウトドアに寄せたビジュアルにして一人、ソロキャンプに出かける。キャンプ場でも目立ちそうだ。強いて言うなら、あとは本国に存在するMTモデルを是非運転してみたい。導入の検討をよろしくお願い致します!
ゴルフGTI ¥4,660,000~
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