脱毛は、次なる脱毛の欲望をかき立てる。まさに沼。一部分では飽き足らず、ここもあそこも、と脱毛にひた走る男たち。その理由とは?
芸人 サバンナ 高橋茂雄の場合
風呂場を友人に貸すとしたら、 脱毛してるやつのほうが圧倒的にいい。
2022年秋の「アメトーーク!」の「脱毛しました芸人」の回に出演していたサバンナ高橋さん。体毛が濃いイメージは全然なく、実際にヒゲ脱毛はしていない。「僕自身は毛が薄くて単にやる必要がないだけですが、ヒゲ脱毛はよく考えたほうがいいと思う。役者さんの友達でヒゲ脱毛をやって後悔してる人もいますから」と語る。
――体毛に関する悩みがなかったのに、脱毛に興味をもったきっかけは何だったんでしょう?
高橋茂雄(以下高橋) 僕は(千鳥の)ノブからのすすめですね。3年前くらいですかね。ノブから広告の仕事でキレイモさんでVIOの脱毛をしたって聞いて。当時は脱毛に対する理解も今とは全然違ったから、そりゃ「えーっ!」てなるわけですよ。「どうなんそれ?」って聞いたら、「めっちゃスッキリしますよ」って言われて。「後に介護のこと考えたら絶対毛なんてない方がいい」って力説されて、それなら一回やってみるかなって試してみた感じです。
――えっ、それじゃ、いきなり下半身からいったんですか?
高橋 そうです。ただ本当に何の知識もないから、最初は何を言ってるのかもわかんなかったんですよ。「今日はVIOですか?」ってお店の人に聞かれたときも、何か特別なVIP的なやつの脱毛バージョンなんかなって思って「ノブの紹介なんです」って答えたら、「えっと、だからVIOでしょうか?」「いやいや、なのでノブの紹介です」って不毛なやりとりを繰り返して…(笑)。最終的には、脱毛マップを見せられて「これがVで…」って丁寧に説明されて、「ああ、なるほど」と。驚いたのは、僕もキレイモさんでお世話になったんですけど、施術するスタッフを男性か女性かこちらが選べたんですよ。ただこれが実は非常に難しい問題で。本音を言えば女性がいいんですよ。と言うのも、長時間、男性の方に自分の身体を触れられた経験がなくてピンとこなくて。ただ、そこで女性って即答するのも、何か性的興味で来てるんちゃうか?と思われないかなって、つい、しどろもどろになったんですよね…。結局「ノブさんは迷わず女性を選ばれました」って聞いて、女性にお願いできたんですけど(笑)。でもなんかこうよそさまの女の人に自分の下半身の施術をやってもらうのが妙に申し訳なくて、「今の俺にできることは何だろう?」と思って、施術中はめちゃめちゃしゃべりたおしました。それが最初の思い出です。
――不思議な体験でしょうね。
高橋 最初の1、2回目は慣れへん空間にいるって感じでしたよね。でもそれからは変に意識することもなく、なんやったら施術中に寝られるくらいになりました。普通に「モノ」と化しているほうが向こうも楽なんじゃないかなっていう結論に至ったので。
――実際に脱毛を体験してみて、率直にいかがですか?
高橋 するなら絶対早いほうがいいですよ。僕自身もっと早くやっときゃよかったって思うくらいおすすめです。下半身の毛がなくなるのって、ちょっとした未来人のような感覚なんですよ。毛を生やしてる人のことは「過去の産物」に見えるというか…未来人的な視点からすると、「うわっ、ダサすぎて見てられない。早く来いよ、こっちの世界へ」って言いたくなります(笑)。
――銭湯やサウナがお好きでよく通われているそうですが、他人の視線は気になりませんか?
高橋 昔は脱毛してたら、「なんだこいつ」って目で見られてたかもしれませんけど、今や、脱毛してる人のほうが圧倒的に清潔感あるし位が高い感じしますよ(笑)。例えば、友達が自宅にやってきてお風呂を貸すとするじゃないですか。脱毛してるやつと毛むくじゃらのやつだったら、圧倒的に脱毛しているやつに使わせたいですからね。
――(笑)。ほかにはどんなメリットがありますか?
高橋 地味ですけど、銭湯から出て着替える速度が格段に増しました。湯上がりの身体がサッと拭けてしまう。いかに今まで毛に邪魔されていたかってことですよ。トイレでも、これまでだったら、トイレットペーパーや拭き残しの便がお尻の毛に絡まったりとか普通にあったと思うんですよ、でも今はウォシュレットで直接全部きっちり洗えてる感じなんで。本当、人生においてVIOに関しては「毛があってよかった」って言ってる人一人もおらんと思うんですよ。VIO脱毛はみんなやるべきだと思いますね。ハードルが高いのは最初の一回だけ。そこを越えれば、もう快適な世界しかない。人によっては、奥さんから「何か色気づいてない? 本当に脱毛する必要あるの?」って言われることもあるらしいですけど、そこはもう介護の一点張りでいけ! と(笑)。
――VIOとスネ毛以外に、ほかの部位も脱毛されているんですか?
高橋 脇毛ですね。脇は、本当はやるつもりなかったんですけど、僕のYouTubeをやってるディレクターの子と一緒にサウナ行ったときに「え~、なんで脇だけ毛生やしてるんですか。うーん、嫌や〜」って言いだして…。「あ、やっぱ嫌悪感あんねや」って。でも確かに他人に脇バーンって見せられたら誰でも嫌じゃないですか。「あ~、じゃあ、脇毛もいらんわ!」って一気にいっちゃいました(笑)。
PROFILE
高橋茂雄
1976年京都府生まれ。吉本興業所属。’94年、立命館の1学年先輩だった八木真澄とサバンナを結成。YouTubeチャンネル「サバンナ高橋/しげおチャンネル」も精力的に配信。