
ビューティ界隈のご意見番ともいうべき美容師たちが集結。40歳・46歳・50歳という3人で繰り広げられた鼎談は、まさに40歳男子の「昔と今とこれから」について。
白熱トーク! 重鎮すぎる美容師たち「肌と髪のリアル」

「STRAMA」取締役。ヘアカタログでの提案、専門誌「SHINBIYO」の撮影、デモンストレーション講師、と幅広く活動。美容メーカーの商品開発にも携わり、若手育成に力を注ぐ。

「MINX青山」で最短記録でトップスタイリストに上り詰める。単身で渡ったNYでは雑誌、広告、ショー、セレブリティのヘアで活躍し、コロナ禍も途切れなかった多数の撮影を担当。

性別・年齢を問わずに多数のヘアカタログ雑誌で活躍し、専門誌「Men’s PREPPY」2019年間アワードノミネート。「おとなのヘア2024」でもメンズヘアを提案。「SUUHA」のオーナー。

髙橋 19歳で東京に出てきて、今年で50歳。カラーギャングがまだ怖かった時代で(笑)、倉庫をクラブにした伝説の大型ディスコ「芝浦ゴールド」に人が集まり、ジョニオさんが4坪ほどのお店でアンダーカバーを始めた頃。とにかくカルチャーをつくっている人たちが集まっていた。
丸田 僕は見ていない原宿創成期ですね。自分が東京で目の当たりにしたのは、アメカジ・パンク・アメトラ・ギャル・赤文字・青文字…とジャンルが次々と細分化しながら、そのミックスも起こり、とにかくファッション雑誌が増えて街中各誌のスナップ隊だらけという流れ。僕からするとお二人とも大先輩です。
三浦 僕は11年いたニューヨークから2年前に帰ってきて、東京の変化には浦島太郎くらい驚いていますが(笑)、丸田さんが言うようなシーンは過ごしています。音楽やカルチャーではなく、メンタリティありきの「ジャンル」と呼べるものが増えて…赤文字と青文字なんかもまさにそう。どういう人物像でありたいか、自分の信じるマインドのほうがファッションやヘアに反映されていったのは面白い。今の流れでも「気負わない」人物像というマインドのほうがやはりヘアの流行に関係している。
髙橋 同感です。そして明らかにヘアにこだわる男性のお客様は増えた。メンズもヘアを選び、表現することはいつの間にか当たり前になったし、皆さん、見せ方も見え方も自分をしっかり理解している。
丸田 僕はメンズのヘアスタイルの広がりに着目していたサロンの出自でして、そして今のサロンはお父さんが子どもと一緒に来れるようなライフスタイルに寄り添うお店。今、生活の中に男性の美意識が自然に溶け込んでいると感じます。
髙橋 まさに、ここまでメンズ美容が浸透したのは極東の一部だけです。
三浦 本当に日本の美容カルチャーは特別ですよね。NYが長かった自分としては異文化。まだまだ欧米世界はタフでマッチョな男性像への憧れが強く残っている。LGBTQは海外から来た文脈のようで、もともと日本のほうがジェンダーへの偏見が大きくない。性別を問わず、シームレスに美容が浸透しやすい土壌があるのかもしれません。
丸田 韓国ファッションの影響の大きさもありますし、ホスト文化のカジュアル化も一役買ったと思います。マイノリティととらえられがちだった美容好き男性がストリートのほうから美容文化を押し上げてくれた側面もあると思うんです。
――おのおのの視点でシーンを見てきた3人が美意識の目覚めに遡る。
三浦 先輩ながら…髙橋さんの肌、すごくツルツルなんですよね。
髙橋 中学時代にBioréの化粧水を使いだしたのを契機に、肌のことを考えています(笑)。
丸田 僕も同じく中学生のとき。敏感肌で合うものがなく、コンビニでDHCのポップアップを見つけて試したらよかった。当時の僕にとっては、一応、高額でした。
髙橋 やっぱり丸田さん、若い! 僕は一つ時代が進んでいると感じます(笑)。ちなみに僕は最近、脂分が減って肌がつっぱるのでクリーム重視。30代後半だったか…「お肌の曲がり角」を確かに感じた。季節や肌の状態に合わせて使うものは変えますが、水のみで洗顔するのがこだわり。そして、足りないものだけを補い、余計なケアはしない。免疫力を下げないことがいちばん大事です。
丸田 余計なことをしない。共感します。乾燥が止まらないのはなぜかと、きちんと肌診断をしてみたところ、僕は髙橋さんとは逆に、皮脂が過剰に出てきていると知った。水分と栄養不足のせいでした。そこで最近、愛用しているのが革命的なケアのRicoのオリジナルベースシート。馬油と美容成分だけを凝縮したシートで、植物由来の保湿、低分子化したコラーゲン、抗酸化成分のフラーレンなどが閉じ込められている。少しの水と体温で溶かして顔に馴染ませるだけ。乳液にクリームと肌にいろいろのせるより、これ一つのほうが調子いい。ちなみに、三浦さんはNYの最新スキンケアだったりするんでしょうか⁉
三浦 …実は僕、すべての基礎化粧品がDIY。自分で調合して作っています。さまざまな成分を長年チェックしてきたので、それをブレンドしていろいろと試すのが楽しい。使ってもらうのもうれしい。という感じです。
髙橋 それは究極にスゴイ…。
三浦 偏執的ですね(笑)。先ほどお二人が余計なことはしないとおっしゃっていましたが、それは美容でありながら健康の話にもつながりますよね。健康ではない肌・髪を美しく見せるのは難しい。ヘアの場合、まとまりを出すカット技術やスタイリング剤で仕上げはできるけれど、前提として本人が健康であって髪自体が健康に生えてくる必要がある。身体に摂取したものは美しさに現れるし、取り繕うことはできません。
丸田 インナービューティですね。玄米とかいいですよね。食後に眠くならず身体が軽いので合うと感じる。極論、日本人は玄米や雑穀を食べていれば健康なのでは?
三浦 まさに。僕は土鍋でご飯を炊いて、焼き魚とお味噌汁という日本の食事を大切にしている。毎晩絶対に湯船にも浸かりますね。
髙橋 お酒ならビールやワインではなく蒸留酒がいいですよね。僕も、身体が喜んでいるという体感には敏感です。朝は身体を目覚めさせるための冷水の洗顔、そして手を広げて日光を浴びる(笑)。一日の始まりを感じるというシンプルなことこそ大切だと感じています。
――さすが美容のプロたち。根源的なヘルス、本質的なケアという難問に話が及ぶが、まず取り入れやすい推しのケア剤も知りたいところ。
髙橋 僕はもう白髪と薄毛にダイレクトにアプローチするという考え方。シャンプーとコンディショナーは皮脂量を抑えて根元の立ち上がりがよくなるものを。髪を生やしたい人、DEMI DOのスカルプエッセンス アドバンストグロウを使ってください(笑)。エイジングに特化しています。
三浦 やはりケアの選択肢はいろいろとあるもので、個人的には美肌菌に注目中。菌が地肌フローラに働きかけてハリとコシのある髪のための環境をつくってくれます。
丸田 そういう自然派なセオリーも支持しつつ…僕はサイエンス頼りです。パーマヘアに太刀打ちできるケア剤は、施術剤と同様にサイエンス系という感覚がある。中でもAujuaは三浦さんのオススメと同様に地肌フローラに着目したエイジングケア。グリシンやフィチン酸の力を借りるのでアプローチの方法こそ違いますが、これもトップボリュームやパサつきの悩みに立ち向かってくれる。そのうえでもう一つ。これからは体質へのマイナス要素をいかに減らせるか、削ぎ落とした選択ということが課題になる予感です。
三浦 まさにその点で、メンズ美容はすごくパーソナルなものになると思います。
髙橋 何を使ってどんな効果があってどこを改善するか、個別の答えに行き着くはず。早く気づいた人から余計に盛るケアではなく、シンプルな摂取になる。美容男子に「選別する力」が求められそうです。

「DEMI DOのシャンプーType OSは皮脂量が多い肌をさっぱり洗いあげるのでベタつきによるボリュームダウンを防いでくれます」。(髙橋)

コンディショナーも同じType OS。「これも脂性肌向きですがコーヒーエキスやタイムエキス配合で適度な保湿力はキープ。マッサージしながら地肌に馴染ませます」。(髙橋)

「発毛を促進する一本。本気で薄毛・脱毛を予防したい人のための味方」。(髙橋)

「ETORASのGlaze Oilはベタつかないのに内側から潤う質感。僕のような長髪にちょうどいい」。(髙橋)

「皆さんもご存じだった、今、注目のLOA THE OIL“CARE”は香りも魅力」。紫外線や花粉へのケア、髪と枕の摩擦ダメージを防ぐケア、キューティクルの再結合を行うケアと三拍子揃う。(髙橋)


シャンプーとコンディショナーの選択肢が豊富なRe:の中でもEmissaryが三浦さんの推し。「もともと地肌には数百種類の皮膚常在菌がいます。その中でも美肌菌と呼ばれる菌を活性化して地肌の環境そのものから健康にするという考え方」。(三浦)

「S-PRO のL.C.Lミストがとてもよかった。髪のごわつきを抑え、柔らかいテクスチャーになる。僕も毛量多めですが、クセ毛の海外の知人たちもこれ一つの仕上げで満足しています」。(三浦)

EANSのウォータリーマルチオイル。「植物由来成分のみを使っていて肌と髪に使えます。名前どおりサラサラの水みたいな質感がいい」。(三浦)


「スタイリング剤はクリームとスプレーともに、NYで大好きになったORIBEをオススメしたい」。(三浦)

youuのジェル「手のひらでサラリと溶けるのにスタイリング力がある。ヴィーガン認証だそう」。(三浦)

「MINX RICCaのオリジナルで、チタンコーティングのピンは新陳代謝の促進まで考えたものです」。(三浦)

丸田さんが最先端のテクノロジーで信頼しているAujuaの中から髪質に合うものを組み合わせて使用中。「エイジングケアに特化した一本が心強い」。(丸田)

「シャンプーは同じくAujuaのGROWSIVEのラインから。抜け毛の対策や、やせ細った髪へのケアになります」。(丸田)

「COCUUの水溶性のスタイリングクリーム。ヘアセットもシャンプーで落とすのもラクです」。(丸田)

「肌のケアはしばらくRicoのこちら一択」。(丸田)

「コンディショナーはAujuaのTIMESURGEで、シャンプーとは別ライン。これは年齢とともにまとまりが悪くなった髪にフォーカスしているので、仕上がりが好み。毛髪の内部まで浸透する水溶性のビタミンB6が特徴で、髪の水分量を高めてくれます」。(丸田)