2025.03.23
最終更新日:2025.03.23

【まだ洋服に凝っているからヘアは無頓着に見えるくらいでいい】40代メンズ美容師「かっこよさ」の秘密①~雪丸秀隆さんの場合

【まだ洋服に凝っているからヘアは無頓着に見えるくらいでいい】40代メンズ美容師「かっこよさ」の秘密①~雪丸秀隆さんの場合

20年前、メディアでスポットライトを浴びていた20代の美容師たちは40代になった今も変わらず…いやむしろ、今が人生でいちばんかっこいい。そんな噂の真相を確かめに、ちょっと落ち着いた!?彼らに会ってきた。秘訣は美容や服にとどまらず、理想の人物像にまで及んだ。

「まだ洋服に凝っているからヘアは無頓着に見えるくらいでいい」

雪丸秀隆
美容師/40歳
雪丸秀隆

「SHIMA 原宿」にて雑誌の撮影や、著名人のカットまでカリスマ的人気を博し、4年前に自身のサロン「yuki」をオープン。

20代

雪丸秀隆 20代
「髪はスタイリングの一部」

30代

雪丸秀隆 30代
「なんでも気軽に挑戦」

40代

雪丸秀隆 40代
「力を抜ける部分は髪だった」

 20代からヘア特集のディレクターとしても、ファッションアイコンとしても雑誌に引っ張りだこ。美容師界隈で知らない人はいないほどの雪丸さんは今、自らセレクトした古着も取り扱うヘアサロン「yuki」のオーナーを務める。

「上京したのは原宿のストリートが盛り上がっていた2000年代初期。ロンドンのストリートカルチャー由来のパンクミュージックやクラブシーンが流行っていた。まだ学生だった僕は原宿『SHIMA』の名物アートディレクター、奈良裕也さんを知らないままご本人に髪を切っていただいたくらい無知。結局、『SHIMA』に入社させていただき、35歳でオープンした自分のサロンも神宮前。おのずと原宿・表参道・青山エリアを20年以上眺めてきました。美容師として興味が向いたのは専門誌でつくるアートのようなヘアではなく、あくまで日常のファッションの延長線上にあるカジュアルなヘア。ファッション雑誌はしっかり読んでいたし単純に服が大好きです。ファッションは変化に富んでいてスピード感がある世界だからこそ、その時々にしたいヘアスタイルに気軽に挑戦してきました。

真っ白や水色に金髪などのハイトーン

真っ白や水色に金髪などのハイトーンも好みで、

長めのバングを流したり

VETEMENTSを着ながらヘアは長めのバングを流したり、

ドレッド

30代になっても突発的にドレッドにしたり…。ヘアを重くはとらえず、あくまでトータルのスタイリングの一部として、カッコいいと思ったら何でもやってみました。

メッシュを入れたマッシュ
メッシュを入れたマッシュ 2

メッシュを入れたマッシュはフォルムを変えたり、

ロングに強めのパーマをかける

ロングに強めのパーマをかけるのもカジュアルな服に合う。ファッションって気分じゃないですか。同じくらいヘアも気分でいいと思います」

OLAPLEXのシャンプーとコンディショナー
UTAUの天然成分のヘアクリーム

 デザイン性の強いヘアスタイルを網羅するかのように様変わりしてきた雪丸さんだが、現在は白髪をそのまま生かしたシンプルなヘアだ。

「ヘアスタイルはパーソナリティに合うものがいい。当時のファッションに馴染ませたヘアは、その時々の自分のパーソナリティの一部だと思います。もしも目立ちたい気持ちがある人なら派手なデザインのヘアはもちろんアリ。でも僕の今の気持ちは『おじさんが頑張りすぎてるってヤバくない?』なんですよ(笑)。デザイナーズもハイブランドも古着も、どうしても服好きは譲れないから『肩の力を抜ける部分は髪』というのが結論でした。自分好みに服を着ながら、髪にもデザイン性があるのは主張が強すぎる。無頓着に見えるくらいでもいい。ヘアはファッションの一部でもあり、男性像の一つのパーツでもあります。飾りすぎたりキメキメな人を目指したいわけではない。グレーヘアをそのままにして、伸びたらある程度フォルムをよく切り、スタイリング剤も使い勝手がラクなものを選ぶ。泡立ちがいいOLAPLEXのシャンプーとコンディショナーで洗い、ハンドクリームにもなるUTAUの天然成分のヘアクリームでさっとまとめるだけ。ファッションもパーソナリティもライフスタイルもすべて込みでグレーヘアが今の自分っぽいと思っています」

雪丸秀隆 2

 トーンをずらしたデニム上下に自然体の白髪が確かに似合う。ただあくまで爽やかな雪丸さんに清潔感の保ち方も聞く。

「男性のスタイルトレンドを規定しているのは、実は異性なんです。時代ごとにどういう男性像が求められモテるのか。男性の美容促進家の方々の頑張りもあるでしょうが、僕たちがモテに迎合しているというほうが真理(笑)。今は清潔感が当たり前に求められますよね。それをひと目で語ってしまう肌はもちろん大切。僕は幸運にもかなり肌が強いものの、最近サクッとシミをとりました。『ケアにこだわる男性は嫌だ』という価値観は今はないし、むしろマナーがある人に映る。『スキンケア』という言葉どおり『ケア』された髪や肌は、暮らしや他人に丁寧な人という、ポジティブなパーソナリティを形づくると思います」

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