2025.03.26
最終更新日:2025.03.26

【煩悩から解き放たれるはずが、なぜかオレンジ長髪に】40代メンズ美容師「かっこよさ」の秘密③~牧野真悟さんの場合

【煩悩から解き放たれるはずが、なぜかオレンジ長髪に】40代メンズ美容師「かっこよさ」の秘密③~牧野真悟さんの場合

20年前、メディアでスポットライトを浴びていた20代の美容師たちは40代になった今も変わらず…いやむしろ、今が人生でいちばんかっこいい。そんな噂の真相を確かめに、ちょっと落ち着いた!?彼らに会ってきた。秘訣は美容や服にとどまらず、理想の人物像にまで及んだ。

「煩悩から解き放たれるはずが、なぜかオレンジ長髪に」

牧野真悟
美容師/41歳
牧野真悟

代官山「HAIR SALON Praha」店長。派手色のロングヘアを継続中。思想が髪型に影響しやすいタイプ。

20代

牧野真悟 20代
「坂本慎太郎さんに憧れて」

30代

牧野真悟 30代
「髪もノームコアが定番に」

40代

牧野真悟 40代
「煩悩を解き放つ」

スタイルのある大人から名前がよく挙がる「HAIR SALON Praha」。音楽・アート・カルチャーが薫るサロンで、店長の牧野さんはなぜかオレンジの長髪が似合ってしまう。髪型の遍歴を見ても41歳の今が最も攻めているようにも見える。

「このヘアスタイルにしてもう2年。等身大の自分を追求するようになりました。一般的に自然体というと髪を染めず、主張の強くないヘアを思い浮かべると思いますが、僕はその真逆。まず、髪は自然と伸びてきますから、その伸びたいという意思を尊重したまま長髪にするのはとても自然(笑)。そのうえで自分を表現したいという心境に変化した。ヴィヴィッドなオレンジは、子どもの頃からの推しのサッカーチーム、清水エスパルスのチームカラー。愛しているチームを昔のように思いっきり応援してみたくなったのも一つ。最初こそ人から不愉快に思われないか不安もありましたが、せっかく美容師という職業。自ら愉快な色にすることで髪で自己表現したい人に向けて説得力が増すとも思えたし、僕自身がやっと人の目を気にせず自己表現できるフェーズに入れたのかもしれません。髪型も好きなものも、隠さず実現してみるのが40代になっての新セオリーですね」

No.7 ボンディングオイルとNo.6 ボンドスムーサー

今のヘアスタイルを維持するために、牧野さんはもっぱらダメージケアを重視。

「ブリーチを繰り返しているので切れ毛や頭皮トラブルが気になります。この色にしている責任として(笑)、キレイな状態であることは大事にしたい。ダメージケアに焦点を当てたケア剤をいろいろと探した中でもOLAPLEXがよかった。心なしか髪のツヤが回復したように感じます。No.7 ボンディングオイルとNo.6 ボンドスムーサーをお風呂上がりに併用するのが日課。ドライヤー前にさっとつけるだけで髪全体がしっかり潤い乾燥を防いでくれます。スペシャルケアとしてもう一つオイルをプラスする日もあります」

ロングヘア

牧野さんのヘア遍歴を追いながら、今のスタイルになった理由をさらに聞く。

「20代の頃はロックやオルタナティブの音楽に傾倒し、洋服も髪型もその影響を受け、ボリュームのあるロングヘア。

マッシュ

今以上にトレンドに敏感で、髪型も気持ちも常にグラグラ揺れ動いていました。けれど30代になり、今のサロンに履歴書を送るとき、バッサリ髪を切ってマッシュに。

ノームコアなスタイル

仕事で白シャツを着る機会が増え、自分の中に『制服』という概念が生まれてワードローブも髪型もシンプルなものに一新。さらに削ぎ落とした黒髪ショートヘアの時代に突入し、20代の頃とは対照的にノームコアなスタイルが定番化しました。ファッションに限らずインテリアや日用品など身の回りにあふれていたモノを定期的に減らしてミニマルな生活へと移行。この頃から、前衛的な文化人の本を読んだり禅的な考え方が入ってきて、身も心も煩悩から解き放たれたいと思うようになってきました。流行や既存のアイコンを超越して、生き様を醸し出す人間はカッコいい。実際に修行僧は髪を気にせず修行に意識を集中するために丸刈りにしているそう。

牧野真悟 2

僕も煩悩から解き放たれるためにボウズに…はしませんでしたが、40代を目前にまた髪を伸ばすようになり結局はオレンジに。僕にとっての煩悩は人目を気にすることだと考えたからです。つまり自分だけに集中するという一つの挑戦。ただしワードローブはすでにミニマルだったのでファッションは変わらず、まだまだ煩悩が残っていたヘアに向き合った。歳を重ねるごとに髪の扱い方にも慣れてきて、ケアさえすれば伸ばしっぱなしでもサマになる自信もありました。すべての経験を踏まえてこの髪型を自分の一部にできていると思えます。

ZINE

最近は日頃から髪について考えていることを書き起こし、友人が発刊しているZINEに寄稿。髪は人それぞれ性格もキャラも違ううえに、年齢とともに変化するから奥深い。

清水エスパルスの試合前にはカラーを入れ直すことも

ちなみに清水エスパルスの試合前にはカラーを入れ直すことも。しっかり染めていないと負けてしまう気がして…今季のリーグも絶対勝ってほしい。これってもしや煩悩ですか!?」

RECOMMENDED